スマートパッケージの新標準

~多言語対応と視覚障害者支援を両立するパッケージUD ~
これまでも、商品パッケージの限られた面積の中で「必要な情報」と「ブランドイメージ」をいかに表現するかは、メーカー共通の課題でした。
さらに昨今では、原材料やインク調達の不安からくるパッケージのデザインを簡素化したり色数を減らしたりする動きなど、デザイン上の制約が増えたことで、この課題はより深刻化しています。これに加え、グローバル市場対応のための多言語化や、高齢化・社会の多様化への配慮も不可欠となっています。
これからの時代は、パッケージを「情報を印刷する場所」から「正確なデジタル情報へつなぐ入り口」に進化させることが求められています。私たちはこれを、「商品情報アクセシビリティの実現」と呼んでいます。
本記事では、こうした課題に対する解決策として、音声・多言語対応「アクセシブルコード(Accessible Code®)」を紹介します。
多言語対応と視覚障害者支援。二つの壁を同時に超えるユニバーサルデザイン
●外国人観光客
拡大を続けるインバウンド市場において、商品のパッケージに書かれた内容を正しく読めている外国人は決して多くありません。多言語翻訳アプリ等の普及により大まかな商品概要は理解できるようになりつつありますが、安全上の注意や成分・原材料といった「実務情報」から、企業が大切にしている「ブランドメッセージ」までを、正しく理解してもらうにはまだ多くの課題があります。
●視覚障害がある方
国の最新の統計(令和4年厚生労働省調査 ※注1)では、視覚障害者手帳を持つ人は約27万人とされています。しかし、日本眼科医会の推計によると、手帳を持っていなくても加齢や疾患などで「日常生活での見えにくさ」を感じているロービジョン(弱視)の方は非常に多く、社会の高齢化に伴い、2030年にはその数が200万人近くに達すると予測されています。これは現在の公的な障害者数の約7倍にあたる規模であり、潜在的なニーズの高さが伺えます。

画像引用:日本眼科医会 記者発表資料 「視覚障害がもたらす社会損失額、8.8兆円!!」 https://www.gankaikai.or.jp/press/20091115_socialcost.pdf
(注1)厚生労働省「令和4年生活のしづらさなどに関する調査結果」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seikatsu_chousa_c_r04.pdf
「多言語対応」と「障害者支援」。これらは別々の課題として捉えられがちですが、本質的には「目の前にある情報を正しく理解できない」という同一の障壁です。この壁が存在することで、素晴らしい商品が目の前にあっても購買機会の損失に繋がっています。
現在、スマートフォンの普及率は90%を超えています。この身近なデバイスと、パッケージ上の小さなコードを組み合わせることで、私たちは二つの壁を同時に取り払うことができます。
音声QR(アクセシブルコード)が実現する、次世代のスマートパッケージ
訪日外国人の顔ぶれが世界規模で広がりを見せる中、英語や中国語だけの対応では不十分なケースが増えています。アクセシブルコードは、わずか16mm四方のスペースで最大15言語の表示と音声読み上げ機能に対応した「進化型多言語&音声QR」です。
この小さなコード一つで、以下の強力なメリットを同時に提供します。
- 自動言語切り替え: コードをスキャンするだけで、ユーザーのスマートフォンの設定言語に合わせて情報が即座に表示されます。外国語の解説書などを探す手間を解消します。
- 視覚障害者へのスキャン支援: 指先で触れて位置がわかる「触知マーク」が配置されているため、目での確認が難しい方でもスムーズにスキャンが可能です。
- スマートフォンOS機能との連動: 音声読み上げはもちろん、スマホ側の設定(色の反転、文字の拡大、ボイスオーバー機能)を活用することで、ユーザーが最も利用しやすい方法で正しい情報にアクセスできるようになります。
これにより、多言語での案内から音声コンテンツまで、求める情報へ誰もが迷わずスムーズにたどり着くことができます。
【アクセシブルコードのサンプル】
※以下は架空の商品にアクセシブルコードを採用した場合のコンテンツ例です。
このサンプルコードは、↓以下の二次元コードをスマホで読み取っていただくと、実際のコンテンツをご覧いただけます。

デジタルの強みがもたらす、商品情報の「鮮度」
デジタルの最大の強みは、情報の「鮮度」を維持できる点にあります。従来の印刷物とは異なり、法改正に伴う表示変更や万が一のリコール情報なども、パッケージのコード自体を変えることなく、Web上の管理画面で後から更新が可能です。
これにより、パッケージのデザイン性を損なうことなく、消費者に常に最新で正確な情報を届けることができます。従来、小さなパッケージを拡大鏡でのぞき込んで情報を探していた消費者にとっても、大きな負担軽減へと繋がります。
「配慮」から「新標準」へ。選ばれるブランドの条件
ウェブサイトのアクセシビリティ対応が必須となりつつあるように、物理的なパッケージにおける「商品情報アクセシビリティ」の向上も、企業が果たすべき重要な戦略です。
アクセシブルコードの導入は、企業に以下の価値をもたらします。
- ESG戦略への貢献: 誰もが等しく情報を受け取れるユニバーサルデザイン(UD)への取り組みは、サステナビリティ(ESG)の観点から市場や投資家から高く評価されます。
- 顧客体験(CX)の深化: 「自分にもわかるように工夫されている」という納得感は、国籍や障害の有無を問わず、ブランドへの深い信頼と長期的なロイヤリティを形成します。
すべての人が正しい情報を手に入れられる社会へ
多言語対応と視覚障害者支援を両立するパッケージUD(ユニバーサルデザイン)は、一部の人たちのための特殊な配慮ではなく、これからの商品が備えるべき「スマートパッケージの新標準」です。
誰もが自分の手で、正確な情報を自立して手に入れられる安心な社会の実現へ向けて。アクセシブルコードという一つの入り口が、貴社の大切な商品を世界中の一人ひとりと深く、正しくつなぐ架け橋となります。







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