「QRコード」が変える、これからのパッケージ戦略

商品の箱に付けられたQRコードから、レジや商品情報や物流管理のデータにつながるイメージを表した画像

— GS1 Digital Link とアクセシブルコードの連携 —

「商品パッケージの役割」とは何でしょうか?

中身を衝撃や劣化から守る。目を引くデザインで選んでもらう。商品名や原材料といった情報を伝える。バーコードを付けて店舗での販売や在庫管理を支える…など多様です。そして現在、パッケージは「中身の保護やデザイン」に留まらず、「デジタル情報への入り口」としての役割を担い始めています。

鍵となるのは、スマートフォンから業務用の専用端末まで、読み手のデバイスを識別し、表示する情報を自在にコントロールする次世代QRコード「GS1 Digital Link

本記事では、商品とデジタル情報をつなぐ国際標準仕様「GS1 Digital Link」が次世代QRコードと呼ばれる理由をご紹介。さらに、この国際標準との連携を見据えて動いている 「アクセシブルコード(Accessible Code®)」の視点を掛け合わせ、これからの時代にメーカー企業に求められる商品パッケージ戦略について探っていきます。 

「2つのコード」を1つに統合 :国際標準規格 「GS1 Digital Link」とは?

GS1 Digital Linkとは、国際標準化団体であるGS1が策定した「世界共通のURL標準規格」つまり、URLのルールのことです。

これまでは、レジのPOSシステムで読み取るための「バーコード(JANコード)」と、消費者がスマートフォンで読み取って、商品サイトなどを見るための「QRコード」 等は、パッケージに別々に印刷する必要がありました。しかし、GS1 Digital Linkのルールに則って作られたコードは、この両方の役割を1つのコードで果たすことができるのです。

【1つのQRコードから情報を振り分けるマルチユース機能】

GS1 Digital Linkのルールに従うと、従来バーコードが持っていた「商品識別番号(GTIN)」や「製造ロット番号」などのデータと、WEBサイトのURLを一体化させることができます。このURLを埋め込んだQRコードをスキャンすると、案内役となるサーバーを経由し、読み取った端末やアプリを自動的に判別して情報を振り分けます。 

この仕組みにより、これまでバラバラだった情報の入り口を1つにまとめることが可能になります。これが、次世代QRコードと呼ばれる所以です。

具体的には、1つのコードで以下のように複数の役割を同時に果たします。 

物流・流通の管理

専用端末でのスキャンにより、 ロット番号や有効期限といったトレーサビリティデータへアクセス。

店舗のPOSレジ

専用スキャナーでの読み取りで、価格データと結びついた決済処理を実行。 

・消費者

スマートフォン等でのスキャンにより、公式サイトやキャンペーン情報、取扱説明書、DPP(デジタル製品パスポート:注1)など、あらかじめ設定されたコンテンツにスムーズに遷移。

1つのQRコードにおける「物流」「店舗レジ」「消費者」の3パターンの読み取り状況の図

(GS1 Digital Link準拠のコードの読み取りイメージ)

では、この便利な次世代コードは、いつ頃から私たちの身近なものになるのでしょうか?

(注1)DPP(デジタル製品パスポート)については、こちらのブログ記事をご覧ください。

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2027年に向けた世界的な移行と、メーカーが得られるメリット

現在、GS1では「2027年末までに、レジのバーコードリーダーが、従来のバーコードとQRコードの両方を読み取り、処理できるようになることを進める取り組み(Sunrise 2027)」を世界規模で推進中です。この移行が進むと(注2)、メーカーには次のような利点がうまれると考えられるでしょう。

・デザインスペースの解消
従来の「バーコード」と「QRコード」の併記が不要になり、限られたデザインスペースの有効活用が可能となります。

・物流・流通の効率化
ロット番号や賞味期限などのデータと連携させることで、在庫管理やトレーサビリティの効率向上が期待できます。

・消費者への豊富な情報提供
パッケージの大きさやデザインに縛られることなく、Web等を通じてスマートフォンを持つ消費者にたくさんの情報を届けられるようになります。

こうした2027年に向けた世界的な動きにあわせて、日本国内のメーカーや小売業の間でも、パッケージの在り方を見直す機運が急速に高まっているという状況です。

(注2)移行期は、バーコードとQRコードの両方を併記し、将来的にQRコードのみになることをめざしています。

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デジタル化で見落としがちな「誰にでも伝わるか」という視点

GS1 Digital Linkを導入すると、消費者への豊富な情報提供も可能になるとお伝えしました。しかし、ここで見落としてはならない課題があります。 QRコードを通してデジタル上の情報へとつなげば、すべての消費者に情報はきちんと伝わるのでしょうか?

GS1 Digital Linkの導入を検討する際、データ連携などの「仕組みをどう設計するか」が第一のポイントとなるでしょう。しかし、せっかく素晴らしい仕組みを用意しても、入り口となるQRコード自体が読み取れなければ、それは消費者に届きません。 情報のアクセスポイントや見せ方を、より多くの人に向けて最適化することも、同時に不可欠なのです。

たとえば、高齢者や視覚障害のある方にとって、パッケージ上の小さなQRコードを見つけ、カメラのピントを合わせて読み取ることは容易ではありません。

また、日本語のテキストだけでは、視覚に障害がある方や日本語が読めない外国人などにとっては十分な情報が伝わらない可能性があります。遷移先のWebページにあらゆる情報が整理されずに詰め込まれていることも、ユーザーが求める情報に辿り着きにくくなります。

これらの課題を解決し、情報を必要とするすべての人に届けるためのひとつの答えが、「アクセシブルコード」です。
アクセシブルコードは、使っている言語や障害の有無に関わらず、すべての人が等しく情報を受け取れるように工夫された二次元コードの仕組みです。パッケージ上の『見つけやすさ・読み取りやすさ』から、読み取った先のWebページでの『情報の伝わりやすさ』までを総合的にサポートします。

アクセシブルコードの紹介動画 (Youtube)


【アクセシブルコードの特徴】

・コードの仕様:触覚・視覚の最適化

- パッケージにエンボス(凸)やデボス(凹)の加工を施し、指先で触るだけでQRコードの位置がわかるようサポート。

-コードの周囲に十分な余白を設け、コントラストをはっきりさせることで、スムーズな読み取りを実現。

・コンテンツの工夫:アクセシビリティの確保

-コードを読み取った先のWebページが多言語対応音声読み上げに対応しており、正しい情報がすべての人に伝わるコンテンツ設計。

マーケティングデータの収集:顧客理解の深化

-コード読み取りを起点とした、購入後の消費者行動データの可視化を実現。

-多言語対応のアンケート調査機能により、多様なユーザーの生の声を収集(オプション)。


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GS1 Digital Link とアクセシブルコードの連携

弊社は、「GS1 Japanパートナー会員 GS1 Digital Link取扱い企業」です。
商品パッケージにGS1 Digital Linkを導入する際、弊社にご依頼いただければ、これまで培ったアクセシブルコードの知見と技術を活かし、「消費者への情報提供」の部分において、多言語対応音声対応などをはじめとしたアクセシビリティの高いコンテンツ設計をご提案いたします。 

コンテンツは、商品説明、取扱説明書、ブランドアピール、キャンペーン情報のほか、トレーサビリティや廃棄方法などのサステナビリティ時代に求められる環境配慮情報 など、商品の種類やご希望に応じて設計することができます。

GS1 Digital Linkによってパッケージのデジタル化が加速する今こそ、すべての消費者にアクセスしやすいパッケージづくりを検討する適期と言えるでしょう。
弊社は、この次世代規格への移行をチャンスと捉え、商品と世界中の多様な消費者とを正しく、そしてやさしくつなぐ仕組みづくりをサポートしてまいります。

アクセシブルコードにおける「物流」「店舗レジ」「消費者」の3パターンの読み取り状況の図。多様な消費者向けに音声・多言語で提供。

(GS1 Digital Linkに準拠したアクセシブルコードのイメージ)


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※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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