アクセシブルコードとは?
Accessible Code®(アクセシブルコード)は、ひとつの2次元コードにインバウンド対応と点字代替機能を持たせたソーシャルインクルージョンのサービスです。アクセシブルコードは、オープン規格であるQRコードを利用しています。
視覚障害者、ディスレクシアの方、外国語話者が、スマートフォンでコードを読み取った際、希望の言語や音声で情報にアクセスできるように作られました。通常は、商品パッケージに印刷してご利用いただくことで、各メーカーから世界中の消費者に対して、障害等による格差の無い情報提供を可能にします。(特許・及び商標を取得済)
アクセシブルコードは、3年以上に渡る視覚障害者支援団体との取組みの中で、現場のニーズを詳細にヒアリングすることによって誕生しました。その際の実証実験では、視覚障害があっても、スマートフォンのカメラで簡単にQRコードを読み取るには、どのような条件が必要なのかについて、多面的な検討を重ねました。
アクセシブルコードから誘導されるコンテンツページは、最大15言語(48言語から選択)のテキストと音声に対応しています。 消費者がコードを読み取ると、自動的にスマートフォンの設定言語でコンテンツが表示されます。 私達はこの方法が、消費者とメーカーの双方にとってのシンプルなソリューションになると考えました。
アクセシブルコード開発の経緯やその詳細については、「事前研究」をご覧ください。
特徴
まずは試してみてください!
ご自身のスマートフォンの内蔵カメラで右側の QR コードをスキャンしてください。サンプルテキストが表示されます。画面上部で、言語切り替えや音声再生もできます。
専用アプリ等は必要ありません。
多言語翻訳
アクセシブルコードは48言語をサポートしており、1つのコードに最大15言語の翻訳を入れることができます。
AIを用いて、機械的にコンテンツを翻訳することもできますし、プロのライターや翻訳者によるコンテンツを入れることもできます。
コードを読み取ると表示されるコンテンツは、ユーザーのデバイス(スマートフォン等)の言語設定に対応して表示されます。もしもユーザーの言語が、そのコンテンツでサポートされていない場合は、英語が表示されます。また、ドロップダウンメニューで希望の言語を選択することも可能です。
テキストの読み上げ
アクセシブルコードには、AIによる音声合成を使ったオーディオプレーヤーが搭載されています。自動生成された音声にエラーや違和感がないか確認するために、各言語のネイティブスピーカーによるチェックも行います。特に、食品アレルギーや薬の服用方法などの重要な情報を正確に伝えるために、このチェックは不可欠です。また、AI音声ではなく、独自の音声を使用したい場合は、MP3ファイルを組み込んで再生することも可能です。
消費者データの分析もできる管理システム
アクセシブルコードは、製品の流通に関するグローバルなマーケティングデータを収集する貴重なツールでもあります。
アクセシブルコードを導入いただくと、様々なデータにアクセスできる管理画面のアカウントが作成されます。管理画面のダッシュボードはどなたでも直観的に操作ができるインターフェースで、各商品に付けられたアクセシブルコードが「世界のどこで、いつ、何語で」読み取られたのかを一目で確認することができます。
また、オプションで、多言語対応のアンケート調査機能を追加していただくこともできます。
購買後の消費者データ分析
販売時点情報管理 (POS) データは、小売店の店頭でのみ収集されますが、今日では国内で販売された商品が海外で使用されることがますます一般的になっています。アクセシブルコードを使用すると、世界全体でのリアルな消費地データを収集できます。
ダッシュボードには、さまざまなフィルタリング機能があり、得られたデータはCSV 形式だけでなく、直感的なチャートやグラフでもダウンロードできます。
ダッシュボードの機能やグローバルビジネス戦略への活用方法ついて詳しくは、「利用データ分析」ページをご覧ください。
バックエンドシステム
アクセシブルコードのバックエンドには、多言語QRコードの生成・管理システムである QR Translator の技術を利用しています。世界の主要国で特許を取得している QR Translator は、エクスポートジャパンの関連会社である株式会社 PIJIN により運営されています。
コードの一括管理
管理画面では、アカウント内のすべてのコードを一元管理でき、新規コードの作成や更新、公開・非公開などの設定がワンストップで簡単に行えます。言語の追加や言語ごとのコンテンツ編集、マップの表示・非表示設定、コード画像のダウンロードなど、さまざまな機能もワンクリックで実行可能です。
コンテンツ制作、プロの翻訳者による翻訳監修、多言語音声の品質チェックなどは弊社におまかせいただくこともできます。
トータルカスタマイズ
それぞれのニーズに応じて、コンテンツページのHTML開発や多言語翻訳など、幅広く対応いたします。
例えば
- ブランドイメージに合わせたコンテンツデザインの制作
- WEBアクセシビリティの世界標準に合わせたコーディング
- ネイティブによる多言語翻訳、または、ご提供いただく翻訳のチェック
- AIで合成された多言語音声のネイティブチェックや読み方・発音などの調整
もちろん、コンテンツには画像や動画も掲載でき、自社のブランドサイトへの誘導も可能です。
印刷面の仕様
商品にアクセシブルコードを付けるには、コードがある位置が視覚障害者にもわかるように、触ってわかるようにする必要があります。そのため、印刷するコードの形状や凸凹加工などについての要求事項があります。具体的な仕様や印刷方法については、「導入フロー」ページをご覧ください。
提供会社
アクセシブルコードは、多言語コミュニケーションのサービス分野で20年以上の業務経験を持つ「エクスポートジャパン株式会社」が開発しました。アクセシブルコードの開発チームには様々な国籍のメンバーが所属し、それぞれの言語力とデザイン・制作のノウハウを活かし、アクセシブルコードの導入をサポートしています。
アドバイザー
アクセシブルコードの事業を進めるにあたっては、当事者の視点を重視し、以下の方々からアドバイスをいただいています。
荒川 明宏
株式会社ラビット 代表取締役
1966年東京都生まれ。9歳の時に網膜剥離で失明。2008年に初代の盲導犬クォーツと、2017年に2代目のグミと歩き始める。視覚障害による情報格差の解消にITが果たす役割に早くから着目し、現在、視覚障害者のIT利用に必要な知識・経験とサポート技術を提供するコンサルティング会社を経営。視覚障害者向けサービスに特化した国内最大の専門展示会である「サイトワールド」を主催する他、携帯電話会社が公式に提供している視覚障害者向けスマートフォン利用ガイドの開発にも携わっている。社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会常務理事。現在の盲導犬はカラちゃん。
和田 香
NPO法人神戸ライトハウス 理事長
音楽大学卒業後、演奏活動中、腰痛の為に前理事長が経営する治療院に顧客として来店。
前理事長からの強い勧めにより、平成20年神戸ライトハウス入社。平成24年の継続支援B事業所の立ち上げに参加。日々の利用者との関わりから、福祉への想いが強まり、平成30年には介護福祉士を取得、令和3年3月に中部学院大学人間福祉学部を卒業、社会福祉士と精神保健福祉士の国家免許を取得。また音楽療法士の資格も取得し、近隣の放課後等児童デイサービスで音楽療法を行う。