インドで開催された包装展示会「PackPlus2025」に出展しました!

概要
インドは多言語国家で、アクセシブルコードが「言葉や障害の壁」を解決するきっかけとなる可能性を探っています。前回の現地調査では、小売店訪問や現地の方々へのヒアリングを通じて、「商品のパッケージは英語が主流だが、生活の中での英語力には大きなばらつきがある」という実態を確認しました(現地調査レポートはこちら)。
そこで今回は、消費者目線の調査から一歩進み、商品を“つくる側”の人たちの声を直接聞くことを目的に、インド最大級の包装展示会「PackPlus」に出展しました。
2025年7月31日(木)から8月2日(土)の3日間、インド・ニューデリーのPragati Maidanで開催された「PackPlus2025」は包装業界最大級の展示会であり、最新の包装機械、資材、印刷技術、ラベリング、物流ソリューションが一堂に会する場です。今年は延べ200社近くが出展し、その中で海外から参加した企業はわずか3社。そのひとつとして弊社も参加しました。
出展に向けた準備
今回が弊社にとって初めての海外展示会出展であったため、不慣れながらも入念な準備を行いました。まずは「当日どんな人がブースに来るのか」「何を伝え、何を持ち帰っていただき、その後どのようなコミュニケーションにつなげたいか」といったシナリオを想定し、展示会そのものとアフターフォローを含めた総合的なコミュニケーション設計を行いました。その上で、必要な資材を一つひとつ検討していきました。
展示に必要なものをすべて日本から運ぶことはできないため、一部は現地での調達が必須でした。日本から送る資材については輸送に時間を要するため、余裕を持って準備を進め、現地調達分では、壁面パネルやパンフレット、幟(のぼり)などを現地の印刷会社に依頼し、会場へ直接届けてもらう手順をとりました。
ただ、展示会前日の設営では資材が予定通り届かないといったハプニングも発生。それでも調整を重ね、最終的には当日の朝までに無事ブースを完成させることができました。
海外展示会は「準備が予定通り進まない」ことを前提に、余裕をもったスケジューリングと現地調達の柔軟性が不可欠であると痛感しました。
3日間の様子
3日間を通じて、弊社ブースには延べ318社の来訪がありました。
その中で、
- 強い関心を示していただいた顧客候補様・代理店候補様:31社
- 興味を持っていただいた企業様:63社
と、期待を上回る成果を得ることができました。
出展前の段階では「初出展で100社ほど来れば良い方だろう」と想定していました。それに対して実際には3倍を超える来訪があり、手応えを強く感じられる結果となりました。
来訪者の多くが注目したのは、アクセシブルコードの多言語対応機能と音声読み上げ機能。特に製薬業界や消費財メーカーの方々からは「まさに求めていた、多言語国家インドに必要なソリューションだ」というお声をいただきました。
また、会場内には同じAIDC(Automatic Identification and Data Capture)分野の競合は見られず、アクセシブルコードの独自性を明確に打ち出せたことも大きな成果でした。さらに、海外出展企業が少数であったことも相まって、ブースには常に人の流れがあり、途切れることなく商談の機会が続きました。
海外の展示会に参加する魅力と大変さ
オンラインで企業を検索し、コンタクトをとることは容易になりました。しかし実際のところ、そこから成約に至る確率は決して高くありません。その大きな理由は「顔が見えない」ことにあると感じます。
展示会という場で直接顔を合わせ、「遠方日本からはるばる参加している」という企業としての本気度を伝えることができました。これにより、相手の興味関心を引き出し、信頼感や親近感を生み出すことができました。
また、現地の文化や商習慣の違いから学ぶことも多くありました。例えば、約束の時間を守ることへの意識は日本と大きく異なり、渋滞や突然のスコールによる物流の遅延なども頻発します。さらに、名刺交換の際にはWhatsAppでの連絡先交換を同時に行うのが一般的であるなど、日本とは異なるビジネス習慣に触れる機会も多々ありました。こうした「違い」を受け入れ、臨機応変に対応しながら商談を進めること自体が、大きな学びとなりました。