アクセシブルコード

スマートパッケージで情報バリアフリーに!

-アクセシブルコード-

言語の違いや視覚障害の有無を超えて 誰もが使える2次元コード

Accessible Code®(アクセシブルコード)は、視覚障害者、ディスレクシアの方、外国語話者向けに、音声や多言語で、「製品の使い方や成分、安全上の注意」などの重要な情報を伝えるために作られた2次元コードです。商品のパッケージに印刷していただくことで、点字や個別の説明書を添付することなく、各メーカーから世界中の消費者に対して、ユニバーサルな情報提供を可能にします。1つのコードに最大15言語のテキストと音声を入れることで、バリアフリーとスマートパッケージを同時に実現するソリューションです。

印刷するコードの仕様と、印刷面である包装資材の2つの仕様を定めることによって、視覚障害者がスマートフォンで簡単に読み取れ、音声での情報取得が可能になる仕組みを、数多くの実験データに基づいて具現化・規格化しました(特許および商標を取得済)。

アクセシブルコードの印刷サンプル。縦横16mmの印刷エリアの中に、縦横11mmのQRコードが表示されている。

アクセシビリティを高める5つの要素

専用アプリ不要

オープン規格であるQRコードを利用しているため、ほとんどのスマートフォンのカメラアプリで読み取ることができます。

音声読み上げ

音声再生機能が付いており、希望の言語の音声で内容を聞くことができます。

多言語対応

自動的に、読み取った方のデバイス(スマートフォン等)に設定されている言語で表示されます。

編集・更新がいつでも可能

印刷したコードを変更することなく、コンテンツ内容をいつでも編集・更新できます。

触って認識可能

触覚認識マークが付いているので、視覚障害があってもコードの位置を触って認識することができます。

アクセシブルコードでできること

アクセシブルコードは、視覚障害者がより自立した生活を送るために作られましたが、すべての人々に役立ちます。たとえば、ディスレクシア(読字障害)の人には、文字情報よりも音声による情報の方が理解が容易ですし、日本語が読めない外国語話者にも日本語と同じ量の情報を伝えることができます。アクセシブルコードは、さまざまな背景やハンディキャップを持つ消費者のために役立つ、最もシンプルなソリューションです。

1つのコードで複数の言語に対応

QRコードが記載された商品パッケージにスマートフォンをかざしている。画面には "Accessible "と書かれたロゴとともにQRコードが表示されている。

アクセシブルコードなら、言語ごとに複数のコードを使う必要はありません。ひとつのコードで、最大15言語のコンテンツを表示できます(48言語より選択が可能)。パッケージが単一言語で書かれていても、世界中の消費者は、自分の母国語でその内容を理解することができます。

点字の代替

点字をなぞる指先のクローズアップ

視覚障害者への配慮として点字を活用した製品も多くありますが、一般的には商品名だけに留まっています。アクセシブルコードでは、より多くの情報を音声で詳しく伝えることができます。

小さなスペースに情報を凝縮

QRコードをくぼみ、または、突起による触覚指標マークが囲んでいる。医薬品パッケージの裏面の右下にQRコードが表示されている。そのQRコードから青い矢印が、スマートフォンの画面に表示されている音声読み上げ機能の「再生」ボタンにつながっている。

アクセシブルコードに必要なスペースは、16mm×16mm(余白を含む)だけです。言語ごとにコードを載せる必要がないため、パッケージのデザインは、ブランドイメージに合わせて自由に行うことが可能です。

アクセシブルコードができるまで

アクセシブルコードの開発は、視覚障害者の自立支援団体である神戸ライトハウス様から相談を受けたことがきっかけでスタートしました。3年の歳月をかけ、日本全国の当事者と共に実証実験を行い、視覚障害があっても、①スマートフォンでQRコードは読み取れるのか? ②どのような環境なら読み取りやすいのか? ③紙、ペットボトル、箱などどのような形状でも読み取れるのか? ④どのような情報を取得したいというニーズがあるのか? 等を調査しました。そこで得られたデータに基づいて開発したソリューションがアクセシブルコードです。詳細は、「事前研究」をご覧ください。

事前研究

先行事例

アクセシブルコードが表示されたシオノギヘルスケア「新セデス錠」の商品パッケージの隣にスマートフォンが置かれている。その画面には、音声再生ボタンと英語での商品情報が表示されている。
アクセシブルコードが表示されたシオノギヘルスケア「新セデス錠」の商品パッケージの隣にスマートフォンが置かれている。その画面には、音声再生ボタンと英語での商品情報が表示されている。

シオノギヘルスケア

シオノギグループ様では、障害のある方々のニーズに対応した医薬品包装のあり方を常に模索してきました。 その中で、アクセシブルコードの情報に触れ、2020年にメーカーとしては初めて、シオノギヘルスケア様の製品で採用をいただきました。 同社は現在、セデス、パイロン、リンデロン、メジコン、シナールなど40 以上の製品でアクセシブルコードをご利用いただいています。

左手には緑色の箱に入った医薬品。右手にはスマートフォンがあり、ロート製薬「パンシロンキュア」の緑色の商品パッケージと英語の商品情報が表示されている。
左手には緑色の箱に入った医薬品。右手にはスマートフォンがあり、ロート製薬「パンシロンキュア」の緑色の商品パッケージと英語の商品情報が表示されている。

ロート製薬

ロート製薬様は、日本最大の市販薬 (OTC) メーカーの 1 つで、同社の主力製品には、胃腸薬、目薬、スキンケア製品などがあります。 2023年には、胃腸薬のパンシロンシリーズに初めてアクセシブルコードを採用いただきました。

プロモーション動画

誰かの左手にスマートフォンが握られ、右手が画面を指さしている。「Accessible」と書かれたQRコードの上に「Export Japan」の文字が表示されている。

障害に関係なく、すべての人が利用できるアクセシブルコード

視覚障害者や外国語話者にとって、日常生活における情報格差は依然として課題です。アクセシブルコードは、誰でもスマートフォンで簡単にコードを読み取り、AI音声合成機能で情報を読み上げられるように設計されています。

アクセシブルコードの導入フローと費用については、以下をご覧ください。

導入フロー

アクセシブルコードは、視覚障害者がコードの位置を触覚で認知できるように、印刷面(包装資材)の仕様が決められています。

そのため、導入には、商品パッケージ(包装資材)の改変を伴いますが、弊社コンサルタントがご提案から運用までお手伝いをさせていただきます。

費用

アクセシブルコードは、商品の販売数量に準じた費用体系で、1商品あたり1円未満の単価から導入が可能です。 同費用には、多言語情報のホスティング、音声読み上げ、読み取りデータの分析機能など、運用に必要な費用がすべて含まれます。ただし、立ち上げに伴うコンテンツの作成等には、別途の初期費用が発生します。

私たちのめざすゴール

男性が目を閉じてスマートフォンを耳に近づけている。

当社は2000年4月の設立以来、「ビジネスを通じて多文化共生社会に貢献する」を経営理念として、言語と情報通信技術の分野で活動してきました。 多様性が進む今日の社会では、マイノリティの問題は社会全体の問題であると認識されるようになり、製品やサービスにおいてのインクルーシブデザインは不可欠な要素となっています。

アクセシブルコードは、そういった問題意識の中で開発されました。 私たちは、アクセシブルコードの普及を通じて、言語や視覚障害が個人の情報格差に繋がらない世界をめざしています。